幼女戦記 小説2巻(前) 漫画5~10巻 【 感想 | 書評 】




感想(書評)

幼女戦記の何が素晴らしいか。

こと2巻に関して言えば、565ページもあるというそのボリュームに尽きるだろう(断言)

お陰で漫画版は、12巻ともなるのにまだ小説2巻の内容が終わっていない(驚愕すべき事実)ので、多分、完結させるためには3桁は必要になるんじゃないかという深刻な疑念が…。

そうそう。

2巻目ともなると、さすがに幼女の成分が滲み出てきている(外伝:借りてきた猫とか)。

滲むほどでしかないといわれれば、それ以上何も言うことは無くなってしまうが…。

あらすじ

2巻は一言でいうと、

ターニャちゃん率いる魔導大隊と帝国にとっての最盛期に到る、助走期間の物語

そして3巻で最盛期に到り、あとは転げ落ちるところを楽しみながら読むのが、幼女戦記の正しい楽しみ方というものでしょう(違)

助走期間、つまりは上り調子なわけですから、2巻の表紙を飾るターニャちゃんの笑顔といったら何とも微笑ましいものです。

まあ、しばらくすれば顔芸に走るぐらいの転落人生が待っているんですがね()

予備知識1(第二十二野戦航空魔導戦技教範規定)

ダキアとの戦闘でターニャちゃんに怒られたヴァイス魔導大尉。

ダキアの歩兵が対空射撃の態勢に入ったために、安全を取って射程圏外に退避したというものでした。

これは戦技教範規定にも記されている教範通りの行動だったのですが、デグレチャフ魔道少佐は敵前逃亡と誤解し、文字通りの銃殺刑も厭わないほどの激怒を持って迎えられてしまうことになります(笑)

(デグレチャフ魔道少佐の言い分としては、歩兵の銃が空を飛んでる魔導士に届くわけがないし、届いたとしても防殻を貫くわけがないだろうという理解)

さて、そこで問題。

現実世界で言えば、歩兵が攻撃機にケンカを売るようなものですが、そんなケンカ法があるのか?というもの。

そりゃあもちろん、個人携行可能な対空ミサイルとかあるわけですし、あるといえばあるんです。

でも幼女戦記の世界線においては、どうやらミサイルの類は無いよう(記述が見つからなかった)(少なくとも漫画4巻におけるダキア軍は機関銃さえ持っていないよう)なんです。

いや、あるにはある。

V-1(誘導機能が無いので、ミサイル(誘導弾)というよりかは、ロケット(噴進弾)だよね)というのが後から出てくる。

誘導機能を付けたなんちゃってミサイルのV-2だって後々出てくる。

けど、それぐらいなんですよね。

機関銃やら大砲の類はあるんですけどね。

ええ、つまり、歩兵の小銃(ライフル)で、飛行機相手に喧嘩が売れるのか?どうなんだ?、と。

で、それに対する解答は以下のとおり。

…旧日本軍ではどうやらあったようです。

あくまでwiki情報ですが、九九式短小銃による対空射撃(全力射撃)戦術が…。

嘘だろ?

ちょっと信じられないぞ??

しかもそれなりに戦果があったとまで記述されている…(ほとんどは無意味ではあるが)。

北ベトナム軍ではAK-47などで対空射撃をやってヘリコプターを損傷・撃墜させたという事例があるとか紹介してるよ…。

…これが本当なら、ヴァイス魔道少佐の行動(歩兵が対空射撃陣形を組んだら射程圏外に退避しましょう戦術の採用)も、強ち間違いとも言い切れないのではないだろうか…。

ああ、可哀そうなヴァイス魔導少佐(笑)

予備知識2(帝国包囲網)

  1. 協商連合が帝国に殴り込む
  2. 帝国は協商連合を殴り返して、協商連合はあっという間にボロボロ状態に
  3. 帝国の覇権を恐れた共和国が帝国に殴り込む
  4. 帝国何とか踏みとどまる
  5. これを好機と見たダキア大公国が、帝国に殴り込む
  6. ダキア大公国の軍備は前時代的なものだったため、数か月で地図から消えることに
  7. 共和国戦に集中したい帝国は、一気に協商連合を降伏させる作戦を思いつく

というような状況の中、協商連合はなかなかに図太い外交戦略を駆使します。

だって、

自分たちから帝国に殴り込んでおきながら、滅亡の危機に瀕すると、なりふり構わず他国(連合王国と共和国)に支援をお願いするんですから。

周辺国の本音は「自分の尻は自分で拭け!」といって、素知らぬ振りを決め込みたいところですが、それをやってしまうと、帝国は協商連合と共和国を併呑してしまい、確実に覇権国家となってしまうわけで。

それは絶対に阻止しなければならないわけです。

結果として、仕方なく、連合王国と共和国は、秘密裏に、あるいは半ば公然と、協商連合を(義勇兵などの形で)支援していくことになります。

その結果が、今に至るも協商連合が陥落していない理由です。

で、帝国軍もそんなことは分かりきっているので、この面倒な相手を完全に扼することを決意します(予備知識3に続く)。

少し脱線しますが、連合王国義勇軍の前線司令部は第203航空魔導大隊によって壊滅させられています(2巻p113)

この時犠牲になった連合王国軍の将校らは教育を目的に選抜された将校です。

つまり、将来の連合王国軍を担うと期待された若き英才らを、連合王国は一瞬にして失ったのです。

これはただの想像ですが、それを考えると2巻現在、表立って参戦していない連合王国にとっては『参戦する』という方向にある程度傾く一つの事件であったのではないかと思うのです。

予備知識3(オース・フィヨルド)

現実の地図でいうとオース市は、ノルウェーのオスロ市に相当します。

帝国軍の最終的な作戦は次のとおり。

  1. 帝国軍北方方面軍は普通に北進し、協商連合軍の主力と対峙する。
  2. 別動隊がオース市を占拠し、そのまま東進し、敵の補給線を分断する。
  3. あとは頑張れ北方方面軍!(笑)

この作戦に到るまでに、まずゼートゥーア少将とルーデルドルフ少将が論戦を繰り広げ、勝利したルーデルドルフ少将閣下(実質はデグレチャフ魔道少佐が身代わりとして)が今度は北方方面軍司令部とも舌戦を繰り広げることになりますが。

  • ゼートゥーア戦務参謀次長閣下
    『冬とか無理ゲーだろ?兵站が持つわけないだろ?』
  • ルーデルドルフ作戦参謀次長閣下
    『戦線2つも抱えることこそ無理ゲーだろ?速攻だ!』
    (1巻の時点で帝国は、協商連合と共和国と2か国相手に戦争をしている)
  • 北方方面軍司令部
    『周りがぐだぐだうるさい。俺たちだけで協商連合軍をやれるんだ!』

という三者三様の思惑があったわけですね。

例えばゼートゥーア閣下の懸念を現実世界のオスロで考えると、厳冬期の1月ともなると平均気温が-2.9℃しかありません。

というか、年間通じても平均気温はたったの6.8℃です。

確かに『戦争しようっ!』という気分にはなりませんよね(苦笑)

ちなみに、オース・フィヨルドを攻略するための北洋艦隊旗艦司令部で行われた会議が、統一暦1924年11月29日(2巻p179)であり、その数日後に作戦決行(2巻p188)ですから、おそらく12月。

ノルウェーやスウェーデンの12月の気候とか、想像もしたくないです。

完全なる冬季作戦になってしまいましたが、それでもルーデルドルフ少将閣下の緻密な作戦(盤外戦も含めて)によって、協商連合軍をほぼ壊滅状態に陥らせることに成功します。

予備知識4(参謀本部の権限)

幼女戦記における帝国軍参謀本部の権限というのは、意外と弱いのかもしれません。

というのも、参謀本部の枢要たるルーデルドルフ作戦参謀次長閣下は『命令』によって北方方面軍を動かせば良いと思うのですが、それをしていません。

もちろん、ルーデルドルフ閣下は、作戦参謀次長という立場なれども一介の少将に過ぎず、一方で北方方面軍司令官たるウラーゲリ閣下は上級大将たる階級であり、比較にすらなりません。

階級差によって命令できないのだとすれば、参謀本部そのもの(それこそ参謀総長の名前を借りて)から北方方面軍に命令すれば良いと思うのですが、それをせずに、わざわざ『提案』という形でルーデルドルフ少将は北方方面軍を動かそうとしています。

これは一体どういうことなのでしょうか?

一般論でいうと、

参謀本部は一般的に、指揮権を有しません(つまり幼女戦記の参謀本部は現実世界と似ている)

あくまでも参謀の役割は、各級指揮官が指揮権を行使するときの補佐(助言)です。

指揮権は軍団長、師団長、連隊長、大隊長、中隊長、小隊長といった、各級部隊の長が有しています。

陸上自衛隊でいうと、

普通に考えれば、陸上自衛隊のトップといえば『陸上幕僚長』です。

幕僚や陸上とは自衛隊用語で、それぞれ参謀、陸軍のことですから、事実上の陸軍参謀総長です。

では陸上幕僚長が指揮する陸上幕僚監部(参謀本部のようなもの)の下位組織に実戦部隊たる各方面隊が組み込まれているのか?

答えはノーです。

それどころか、実戦部隊といえるものは、陸上幕僚監部内は何一つ持っていません。

陸上幕僚監部の仕事は、専門家(陸軍軍人)としての立場から作戦(日本では防衛計画とかいう)を立案し、それを指揮官たる防衛大臣に助言する(自衛隊法第9条)、というものです。

その作戦を実際に受け入れるかどうかは、指揮官たる防衛大臣が独自(ちょっとこの言葉は誤解されそうだけど、他に良い言葉が思い当たらない。当然のことながら最高指揮官は内閣総理大臣なんだ)に決めなければなりません。

ただし、自衛隊法第8条により、防衛大臣が指揮監督権を行使する際には、各幕僚長を通じて行使しなければならないとされていますので、幕僚長を飛び越えていきなり指揮権を発動する、ということはありません(各幕僚長が『知らなかった!』ということは法律上あり得ない)。

では、誰が軍隊(実戦部隊)のトップなのか?

最高指揮官という意味においては、日本においては内閣総理大臣(実務上は防衛大臣)です。

陸上自衛隊の中における最高指揮官という意味においては、陸上総隊司令官となります。

(陸自ホームページより)

上図のとおり、陸上幕僚監部とは独立して、陸上総隊が存在します。

ただ、日本においては陸上総隊そのものが出来て新しい組織であるため、陸上総隊の下に各方面隊(方面軍)が存在するわけではなく、お互いに独立した組織になってしまっています。

もちろん、自衛隊法第10条の二の第3項によって、陸上自衛隊の部隊を一体的に運用する必要に迫られたときは、防衛大臣の命によって各方面隊を陸上総隊司令官の指揮下に置くことができるとされていますから、陸上総隊司令官こそが、制服組のトップといえるでしょう。

法律的にいえば、

陸上総隊については自衛隊法第十条の二第2項にて『陸上総隊司令官は、防衛大臣の指揮監督を受け、陸上総隊の隊務も総括する。』と明記されています。

また、方面隊についても、同法第十一条により同じく防衛大臣の指揮監督を受けることが明記されています。

決して、陸上幕僚長(統合幕僚長も含める)ではないのです。

まあ、行動計画(作戦立案)権も人事権も編制権も幕僚監部(参謀本部)が持っているので、間接的な関与はできるわけですが(端的に言えば、指揮権以外は全て幕僚監部(参謀本部)にあるといっても良い)。

まとめてみると、

日本の陸自組織と幼女戦記の帝国軍組織が同一というわけではありませんが、無理矢理まとめてみると以下のような感じです。

陸上幕僚監部 ≒ 陸軍参謀本部

指揮官に対する助言機関。作戦を立案したりするので最も偉いとみなされるが、指揮権は無い。

実際の指揮権は、

陸上自衛隊 帝国(幼女戦記)
陸軍内 陸上総隊司令官(陸将) 方面軍軍団長(上級大将?)
最高指揮権 内閣総理大臣 皇帝(カイザー)

となるわけですね!

改めて考え直すと、

参謀本部に所属するルーデルドルフ少将には、そもそも北方方面軍の作戦指揮に命令する権限を有さない。そのためデグレチャフ魔道少佐という劇薬を用いて、北方方面軍司令部の作戦を誘導ないし取引して捻じ込む必要があった。

と結論付けて良さそうです。

予備知識5(帝国以外の組織)

2巻時点で判明している限りにおいてですが。

協商連合

十人評議会(事実上の最高権力機関)

外務評議委員 アーバンソール 2巻p220
文化評議委員 コルソール
??評議委員 カゾール

このうち、ライタール号に乗り込んで亡命政権を樹立するため共和国に行くのはアーバンソール外務評議委員です。

積荷として乗船した挙句、第203魔導航空大隊の臨検から逃れるため、最終的に処分されてしまいますが(つまり失敗)。

連合王国

対外戦略局長 ハーバーグラム少将 2巻p207
第一海軍卿 名前不明

ハーバーグラム少将が『協商連合の亡命政権』の件に関してお伺いを立てに向かった第一海軍卿ですが、こちらは現実世界に元ネタがあります。

幼女戦記の中では連合王国海軍省のトップであり、つまり大臣です。

漫画版(8巻)の絵を見る限りは、階級章があり、かつ横線3本ですので、現役武官の海軍大将のようです。

ということは、対外戦略局は海軍省の下部組織にあると考えるのが自然でしょう。

かつ、少将であることを考慮すると、まだ上位組織があると考えて、(漫画8巻ではハーバーグラム少将を連合王国軍情報部と紹介していることからも)海軍省情報部対外情報局といったところで落ち着くのでしょう。

もちろん、情報部員はその機密性ゆえに、直属の上司を飛び越えていきなり第一海軍卿に相談を求める、ということもあるのでしょうと脳内補完してみる(あっているかどうかは分かりませんが)。

予備知識6(協商連合評議委員の亡命政権はなぜ頓挫したか)

まず、共通理解として、

協商連合の存在はもはや風前の灯火なので、政府要人を海外に亡命させ、そこで亡命政権を樹立し、そこから協商連合にいるレジスタンス(市民による抵抗運動)活動を扇動し、来るべき祖国の復活に向けて行動しようと考えます。

が、そのためには、まずはその亡命政権を維持できるだけの政府要人を海外に輸送させなくてはなりません。

そこで、協商連合国が取った方法は『手あたりに助けを求める大作戦!』です(呆笑)

協商連合国の亡命依頼は、連合王国情報部に届きますが、連合王国情報部としては、

「いや、その意図、絶対に帝国にもバレるだろ?!」

と考えてしまいます。

が、裏返せば、それほどまでに協商連合国は追い詰められているわけですね。

最終的に連合王国は輸送に協力し、共和国が評議委員の受け入れに賛同します。

結論から言うと、帝国にはバレませんでした(をい)。

にもかかわらず頓挫したのは、ここからは私の想像ですが、協商連合が、追い詰められてバカになっていたからです。

あろうことか、連合王国の偽装艦ライタール号に評議委員を運ぶ際に、協商連合艦隊を使ったのです。

(気持ちは分かる。要人一人だけ亡命させたって、実力部隊が無いのにどうやって祖国を取り戻すんだ?という話。全てを共和国に任せてそれが国といえるのか?だから、実力部隊としての協商連合海軍の温存も図りたいという協商連合の思惑は分かる)

一人で逃げるよりも一隻で逃げる方が、一隻で逃げるより数隻で逃げる方が、見つかりやすいというものです。

もちろんそれにはダミーも混ぜていた(協商連合艦隊そのものを逃がす目的もあるでしょうから、複数の航路を取った)のでしょうが、だからこそ帝国の意図を掴み損ねたのですね。

  • 帝国海軍の主目的 … 敵艦隊の撃滅
  • 協商連合の主目的 … 要人を安全に逃がす&艦隊そのものを逃がして再起を図る

この協商連合艦隊の存在が帝国軍にバレてしまい、参謀本部は「離脱をはかる協商連合海軍残存主力艦隊」(2巻p239)と断定します。

艦隊司令部は敵艦隊の捕捉撃滅を、参謀本部はそれの支援をということになり、参謀本部直下たる第203航空魔導大隊には、敵艦隊の捜索遊撃任務命令が下ります。

で、たまたま。

そう、たまたま、アール(使えない魚雷、という意味)の活躍という幸運も重なり、更にはアンソン・スー大佐を二階級特進させ(これが後々、娘のメアリー・スーという劇薬の誕生の遠因となる)、全ての協商連合と連合王国の目論見を崩れ去らせることに成功してしまいます。

そんな裏話があったことを知らぬは帝国のみというのだから、抱腹絶倒モノ(笑)

更にこの話にはオチがつきます。

敵艦隊を捕捉した第203航空魔導大隊でしたが、帝国海軍は再補足に失敗します(海は広い!)

つまり、帝国海軍の目的であった、敵協商連合艦隊の撃滅にも失敗します。

帝国も協商連合も、お互いにその目的を果たせずして終わったわけです(笑)

大まかな話の流れ(以下、ネタバレ)

第203航空魔導大隊にとって、最高の実弾演習!

ダキア大公国軍が帝国領に侵攻してきたことを知るデグレチャフ魔道少佐。

その数、60万人(2巻p8)。

レルゲン中佐ら軍の良識は、この数に恐れ戦き、邀撃に出るデグレチャフ魔道少佐に対して『遅滞戦闘』を命令しますが、航空戦力の不在を知ったデグレチャフ魔道少佐は『撃退可能』と歓喜しながら具申します。

まあ、ここら辺のやり取りは本当に面白いんです。

意見の相違は、第三者の立場で見る限りは大変に面白いものです(笑)

さて早速出撃したデグレチャフ魔道少佐率いる第203航空魔導大隊は、ダキア軍先鋒たる三個師団(五万ちょっとの群衆ないし暴徒)との戦闘(一方的虐殺)を経験することで、部隊は更に成長していくことになります。

特に次席指揮官たるヴァイス魔導大尉が、死線(笑)を潜り抜けることで成長します。

結果として第203航空魔導大の初陣は、ダキア先鋒軍を壊滅させ、侵攻軍司令部を潰し、挙句の果てにはダキア首都まで浸透し、兵器工廠を破壊するという意味不明ともいえるレベルの戦果を出すに至ってしまうわけです。

もちろん、ターニャちゃんには出来るという確信があったからこその判断ですが、レルゲン中佐にはとても理解してもらえないところが、面白いポイントです。

ダキア瞬殺、次の獲物は…北か、西か?

昇進したルーデルドルフ少将(ゼートゥーアも少将に昇進しているよ!)の作戦によって、ダキアはもはや陥落状態に陥ります。

現在帝国と交戦状態にあるのは、北方の協商連合に、西方の共和国です。

さて、どちらの戦線を片付けるべきかと考えたら、当然『弱いものいじめの論理』に従い、共和国より弱い協商連合の方へと帝国の牙は向かいます。

もちろんその先鋒を務めるのはデグレチャフ魔道少佐率いる第203航空魔導大隊!

ダキア戦後早速、ノルデン(北方前線、対協商連合戦線)への転属が命令されます。

いざ、北方、ノルデンへ!

ノルデンへ異動した第203航空魔導大隊は、早速窮地に陥っている味方のヴァイパー大隊を救い出し連隊規模の敵兵と爆撃機を撃退!

その後、ルーデルドルフ少将に連れられて北方方面軍の会議に参加します。

小説で判明している参加者は以下のとおり。

北方方面軍軍団長 ウラーゲリ上級大将 2巻p153
北方方面軍参謀長 イェーコフ・シュライゼ中将 2巻p147
参謀本部作戦参謀次長 ルーデルドルフ少将
参謀本部付第203航空魔導大隊 デグレチャフ魔道少佐

ここら辺の会議の流れは予備知識3、4で。

有意義(笑)な会議(茶番ともいう)の結果、帝国軍は協商連合に強烈な一撃を与えるため、

  • 北方方面軍(陽動、牽制、助攻)は、普通に北上して協商連合軍主力と戦う。
  • 北洋艦隊(本命、主力、主攻)は、後方(オース・フィヨルド)を扼し、協商連合軍主力の生命線(補給線)を断つ。

の2軍に分けることに。

デグレチャフ魔道少佐率いる第203航空魔導大隊の任務は、北洋艦隊がオース・フィヨルドに入港できるように準備を整えること。

平たく言えば、オース・フィヨルドを守る敵砲台の沈静化が任務となるも、完璧な仕事を果たします。

連合王国の暗躍と(誰にとっても)計画の頓挫

完璧な戦争機械として狂いなく動作する帝国軍は、順調に協商連合軍相手に勝利を重ねます。

協商連合は陥落寸前、いよいよ政府が亡命を企てます。

協商連合は最高権力機関である十人評議会評議委員(のうち、一名)の輸送を、連合王国にお願いしたのです。

輸送先は共和国で、共和国で協商連合政府による亡命政権を樹立する算段を目論みます。

結論から言うと、連合王国の目論見は儚くも崩れさりました。

第203魔導航空大隊が、評議委員を乗せた潜水艦の存在に気づき臨検を企てたため、処分して『最初から協商連合の人間は誰も乗っていなかった』ことにしたのです。

何しろ、まだ連合王国は参戦していないのですから、見つかってはならない存在なのです。

偶然なんですけどねっ!(笑)

結果、臨検しても何も出てこず、それどころか臨検のはずみで焼死した連合王国兵(実際は処分された評議委員)の責任をどう取ってくれるんだ?!と、連合王国から抗議される始末。

事情を知らない帝国政府としては、まさに「何てことをしてくれたんだ!」状態です(笑)

形式的な軍法会議にかけられるだけで済みますが、本人はかなり凹んだようで、その後に交わされるレルゲン中佐とのやりとりが可愛い(笑)

一方で、評議委員の輸送には失敗した連合王国でしたが、一方で帝国も協商連合海軍の残存艦隊を取り逃がしてしまいます。

取り逃がした残存艦隊は連合王国を経由して共和国軍と合流し、そこで活動を始めることでしょう。

つまり『連合王国海軍は健在!』とアピールすることができるわけです。

帝国は、連合王国を早期に降伏させる手札を失ったのです。

第203航空魔導大隊、(西方)ライン戦線への転属

第203航空魔導大隊の活躍等もあって後方の補給線を断たれた協商連合陸軍は、帝国軍北方方面軍によって壊滅状態に陥ります。

一方協商連合海軍は、無事共和国に逃げおおせることが叶います。

つまり、協商連合陸軍が、協商連合軍に対して出来ることは無くなったのです。

こうして(北方)ノルデン戦線は決着がついたわけですから、貴重な戦力である第203航空魔導大隊を遊ばせる余裕のない参謀本部は、残ったもう一つの戦線である(西方)ライン戦線に送り込みます。

と、思っていたのですが。

3巻p305で、北方方面軍から『指揮権に対する明確な異議申し立てのため配置転換』と明言されちゃいましたので、まぁ、そういうことなのでしょう(笑)

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